◎古文書復元技術
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不鮮明な古文書の判読に困っている方や、貴重な資料の取り扱いに手を余している方々に、ユニークな古文書復元技術のサービスを開始したという方からご連絡があり、詳細な資料をお送りいただいたのでここでご紹介。
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不鮮明な古文書の判読に困っている方や、貴重な資料の取り扱いに手を余している方々に、ユニークな古文書復元技術のサービスを開始したという方からご連絡があり、詳細な資料をお送りいただいたのでここでご紹介。ちなみにこの企業と当Webサイトとは利害関係は一切ありませんので、ご利用なさるかどうかはご自分の判断にてお願いいたします。
それではさっそくご紹介。記念写真や証明写真などの撮影制作を手がける大阪府枚方市のスタジオ・Pecoが行っているというその復元作業とは……。
「文化財(作品)に手を加えることなく、当社独自の写真技術により、往時の状態を写真画像上にて、復元・解読しようと致しております。最近、古くなり汚れたり風化して、目で見えなくなる事により、歴史有る文化財としての使命が終わった、という話を良く聞くようになりました。このたび、以前から有りました特殊写真技術(紫外線写真、赤外線写真、高対比写真)を、従来白黒写真で有ったそれらに、新たに読みとった情報をコンピューター処理する事で、カラー写真に融合させる事が可能になり、実際の文化財に手を加えることなく、写真画像として文化財を往時により近い状態で、再現できるようになりました(文化財の伝承の歴史的証明のお手伝いが可能となりました)」(同社パンフレットより)。
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※写真は復元作業前(上)と復元作業後(下)!復元作業によりこの絵馬が万治二年に奉納されたことが判明した。絵柄の再現も見事
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復元作業の原理は従来から有る赤外線フイルムによる撮影と紫外線フィルムによる撮影、そして高対比(ハイコントラスト)写真という特殊な写真技術をベースに、それをコンピュータ処理に組み合わせるという新しい手法で実現している。
赤外線フィルムの撮影は人間の目には見えない光をも写せることから昔から考古学分野でもよく使用されてきた。木簡に書かれた墨書が消えかかって人の目では判明できない場合でも、赤外線フィルムによる撮影で判明したという例を良く聞くはず。表面からは消え去っている墨書でも実は木の繊維内部には墨の残留物がのこされており、それを赤外線が鮮明にとらえるというのだ。
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※赤外線フィルムによる墨文字の解読例。左が目視画像、右が復元画像
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次に紫外線フィルムによる撮影は赤外線同様目に見えない紫外線を利用するのは一緒だが、墨などにはあまり反応せず、厚塗りの白い顔料などに良く反応するという性質を利用している。専用フィルムを利用する赤外線撮影とは異なり、通常のフィルムを使用可能だが、可視光をカットする非常に特殊なフィルターが必要になるという。
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※赤外線と紫外線フィルムによる復元例。左が目視画像、右が復元画像
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高対比(ハイコントラスト)撮影というのは、赤外線フィルムでは粒子が荒れてしまう場合などに画像のコントラストを上げて撮影することにより、内容を読みとれるようにする手法だ。特殊なフィルムと特殊な現像法が使われる。
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※高対比(ハイコントラスト)手法による目視状態(上)と復元作業後(下)
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以上の処理はそれぞれ特徴を持つものの単独では効果は限られている。ここからがスタジオ・Pecoの独自技術で、それらの特殊撮影データと可視光でのカラー撮影データをそれぞれコンピュータに取り込み、スタジオ・Pecoの技術により合成・融合させるという。コンピュータ上で目には見えなかった情報と目に見えている情報が組み合わさり、製作時に近いレプリカとなって復元されるというわけ。実際の文化財には一切手を加えないのでこちらは保存をしながら、より鮮明、詳細となったレプリカで研究にあたれるのだ。
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※このサンプルは画像処理のみによる復元が行われた例。希望次第では、特殊撮影のデータを基にした文字の書き起こし、画像の描き起こしも受け付けるという
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■取材協力:スタジオ・Peco
■このページで使用した写真の版権はスタジオ・Pecoに帰属します。
http://www.jin.ne.jp/peco/fukugenn/
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