◎埋蔵金関連法律 詳解その1 <遺失物法>
- 埋蔵金探索に一番身近な法律といえる最新の“遺失物法”は、2006年6月「平成18年法律第73号」として成立、2006年6月15日に公布された。明治32年以来、実に100年ぶりに全面改正されて2007年12月10日から施行されている。この、新“遺失物法”の登場により、やっと庶民にも分かりやすい法律になったといえる。
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といっても、旧“遺失物法”のページを見てもらえればわかるとおり、基本的な法の内容自体に大きな変更はなく、ネットの普及にあわせて、警察署間でデータベースを共有しスピーディに遺失物をさがせたり、ブームとなっているペット類などの取り扱いを除外する、といった部分で手直しを図ったもの、ともいえる。
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時間に余裕がある方は、具体的な解説も付けた旧“遺失物法”のページも読んでもらえれば全体が一目瞭然となるはずです。最後まで頑張って読んでみてください。
- まずは改正された新“遺失物法”のポイントを紹介しておこう。
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(1)この忙しい現代に、拾った人も6カ月も覚えてられないというのか、はたまたさっさと落とし主捜しは諦めてしまいましょう、というのか真意は不明だが、遺失物の保管期間を3カ月に短縮している。ただし埋蔵物に関しては従来どおり6カ月のままで変わりなし。
(2)各都道府県の警察単位でしか分からなかった従来の遺失物探しが、インターネットに公開されることで簡単、広範囲に探せるようになった。まあ、埋蔵金には関係ありませんが。
(3)こちらも時代を表す改正だ。携帯電話、カード類など個人情報が入った遺失物に関しては、3カ月経って落とし主が現れなくとも、拾った人が“所有権”を主張できなくなった。まあ、当然といえば当然か。
(4)電車、バス、飛行機など公共の乗り物事業や多くの人間が集まる店舗などに“特例施設占有者制度”が新設され、拾得物の保管など、警察の業務を一部肩代わりできるようになった。2週間以内ならまとめて届けられる等、手間のかかる遺失物の取り扱いを楽にしてもらたってことだろう。
(5)カサや衣類など、かさばり引き取り手の現れそうもない遺失物に関しては2週間以内に落とし主が現れない場合は“売却処分”ができるようになった。ものが溢れている時代を反映している改正だ。
(6)“所有者が判明しない犬や猫”は遺失物の対象外として動物愛護法で処理されることに。犬や猫もちゃっちゃと処分してしまいましょ、ってことだろう。ワニやヘビなんてのはどうなんでしょう?
冗談はともかく、以上が改正された重要部分で、埋蔵物に関してはまったく変更はなし、と考えても良いだろう。
では、いざ本番の“遺失物法”に挑戦してみてください。
<遺失物法>
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遺失物法(明治三十二年法律八十七号)の全部を改正する
○ 遺失物法(平成十八年法律七十三号)
○ 遺失物法施行令(平成十九年政令第二十一号)
○ 遺失物法施行規則(平成十九年国家公安委員会規則第六号)
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目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置
第一節 拾得者の義務(第四条)
第二節 警察署長等の措置(第五条―第十二条)
第三節 施設における拾得の場合の特則(第十三条―第二十六条)
第三章 費用及び報労金(第二十七条―第三十四条)
第四章 物件の帰属(第三十五条―第三十七条)
第五章 雑則(第三十八条―第四十条)
第六章 罰則(第四十一条―第四十四条)
附則
- 第一章 総則
- (趣旨)
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第一条 この法律は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得及び返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。
- (定義)
- 第二条 この法律において「物件」とは、遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。
2 この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。
3 この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。
4 この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。
5 この法律において「施設」とは、建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。
6 この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。
(準遺失物に関する民法の規定の準用)
第三条 準遺失物については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条の規定を準用する。この場合において、同条中「これを拾得した」とあるのは、「同法第二条第二項に規定する拾得をした」と読み替えるものとする。
- 第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置
- 第一節 拾得者の義務
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第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
2 施設において物件(埋蔵物を除く。第三節において同じ。)の拾得をした拾得者(当該施設の施設占有者を除く。)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない。
3 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)第三十五条第二項に規定する犬又はねこに該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない。
- 第二節 警察署長等の措置
- (書面の交付)
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第五条 警察署長は、前条第一項の規定による提出(以下この節において単に「提出」という。)を受けたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、拾得者に対し、提出を受けたことを証する書面を交付するものとする。
- (遺失者への返還)
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第六条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するものとする。
- (公告等)
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第七条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 物件の種類及び特徴
二 物件の拾得の日時及び場所
2 前項の規定による公告(以下この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。
3 警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。
4 警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間(埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。
5 警察署長は、提出を受けた物件が公告をする前に刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により押収されたときは、第一項の規定にかかわらず、公告をしないことができる。この場合において、警察署長は、当該物件の還付を受けたときは、公告をしなければならない。
- (警察本部長による通報及び公表)
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第八条 警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件が貴重な物件として国家公安委員会規則で定めるものであるときは、次に掲げる事項を他の警察本部長に通報するものとする。
一 前条第一項各号に掲げる事項
二 公告の日付
三 公告に係る警察署の名称及び所在地
2 警察本部長は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件及び他の警察本部長から前項の規定による通報を受けた物件に関する情報を、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
- (売却等)
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第九条 警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。
2 警察署長は、前項の規定によるほか、提出を受けた物件(埋蔵物及び第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が次の各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。
一 傘、衣類、自転車その他の日常生活の用に供され、かつ、広く販売されている物であって政令で定めるもの
二 その保管に不相当な費用又は手数を要するものとして政令で定める物
3 前二項の規定による売却(以下この条及び次条において単に「売却」という。)に要した費用は、売却による代金から支弁する。
4 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなす。
- (処分)
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第十条 警察署長は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるとき は、政令で定めるところにより、提出を受けた物件について廃棄その他の処分をすることができる。
一 売却につき買受人がないとき。
二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。
三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。
- (返還時の措置)
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第十一条 警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
2 警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。
3 警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。
- (照会)
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第十二条 警察署長は、提出を受けた物件の遺失者への返還のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
- 第三節 施設における拾得の場合の特則
- (施設占有者の義務等)
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第十三条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。
2 前節の規定は、警察署長が前項の規定による提出を受けた場合について準用する。この場合において、第五条中「前条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、「拾得者」とあるのは「施設占有者」と、第十一条第二項中「拾得者の同意」とあるのは「拾得者又は施設占有者の同意」と、「拾得者の氏名」とあるのは「その同意をした拾得者又は施設占有者の氏名」と、同条第三項中「拾得者」とあるのは「拾得者又は施設占有者」と読み替えるものとする。
- (書面の交付)
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第十四条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一 物件の種類及び特徴
二 物件の交付を受けた日時
三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
- (書面の交付)
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第十四条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一 物件の種類及び特徴
二 物件の交付を受けた日時
三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
- (施設占有者の留意事項)
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第十四条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一 物件の種類及び特徴
二 物件の交付を受けた日時
三 施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)
- (不特定かつ多数の者が利用する施設における掲示)
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第十六条 施設占有者のうち、その施設を不特定かつ多数の者が利用するものは、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に第七条第一項各号に掲げる事項を掲示しなければならない。
2 前項の施設占有者は、第七条第一項各号に掲げる事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。
- (特例施設占有者に係る提出の免除)
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第十七条 前条第一項の施設占有者のうち、交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定める者に該当するもの(以下「特例施設占有者」という。)は、交付を受け、又は自ら拾得をした物件(政令で定める高額な物件を除く。)を第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定により遺失者に返還することができない場合において、交付又は拾得の日から二週間以内に、国家公安委員会規則で定めるところにより当該物件に関する事項を警察署長に届け出たときは、第四条第一項本文又は第十三条第一項本文の規定による提出をしないことができる。この場合において、特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。
- (公告に関する規定等の準用)
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第十八条 第七条、第八条及び第十二条の規定は、警察署長が前条前段の規定による届出を受けた場合について準用する。この場合において、第七条第一項及び第五項並びに第十二条中「提出を受けた」とあるのは「第十七条前段の規定による届出を受けた」と、第七条第一項第二号中「場所」とあるのは「場所並びに第十七条後段の規定により当該物件を保管する特例施設占有者の氏名又は名称及び当該保管の場所」と読み替えるものとする。
- (特例施設占有者による遺失者への返還)
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第十九条 特例施設占有者は、第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)を遺失者に返還するものとする。
- (特例施設占有者による売却等)
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第二十条 特例施設占有者は、保管物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき又はその保管に過大な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。ただし、第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。
2 特例施設占有者は、前項の規定によるほか、保管物件(第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く。)が第九条第二項各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。
3 特例施設占有者は、前二項の規定による売却(以下この条及び次条第一項において単に「売却」という。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。
4 売却に要した費用は、売却による代金から支弁する。
5 売却をしたときは、物件の保管、返還及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該保管物件とみなす。
- (特例施設占有者による処分)
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第二十一条 特例施設占有者は、前条第一項本文又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、保管物件について廃棄その他の処分をすることができる。
一 売却につき買受人がないとき。
二 売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。
三 前条第一項ただし書に該当するときその他売却をすることができないと認められるとき。
2 特例施設占有者は、前項(第一号を除く。)の規定による処分をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。
- (特例施設占有者による返還時の措置)
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第二十二条 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
2 特例施設占有者は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名等を告知することができる。
3 特例施設占有者は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。
- (特例施設占有者による帳簿の記載等)
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第二十三条 特例施設占有者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、帳簿を備え、保管物件に関し国家公安委員会規則で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
- (特例施設占有者の保管物件の提出)
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第二十四条 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者は、特例施設占有者でなくなったときは、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、保管物件を警察署長に提出しなければならない。
2 第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、当該特例施設占有者が第十七条後段の規定により保管していた物件を警察署長に提出しなければならない。ただし、第三号に掲げる場合において、同号に規定する合併後存続し、又は合併により設立された法人が引き続き特例施設占有者であるときは、この限りでない。
一 死亡した場合 同居の親族又は法定代理人
二 法人が合併以外の事由により解散した場合 清算人又は破産管財人
三 法人が合併により消滅した場合 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者
- (報告等)
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第二十五条 都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、この法律の施行に必要な限度において、施設占有者に対し、その交付を受け、又は自ら拾得をした物件に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
2 公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、特例施設占有者に対し、保管物件に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は保管物件の提示を求めることができる。
- (指示)
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第二十六条 公安委員会は、施設占有者若しくは特例施設占有者又はその代理人、使用人その他の従業者(次項において「代理人等」という。)が第十三条第一項、第十九条、第二十二条第一項、第二十三条又は第三十七条第三項の規定に違反した場合において、遺失者又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その利益を保護するため必要な限度において、当該施設占有者又は特例施設占有者に対し、必要な指示をすることができる。
2 特例施設占有者又はその代理人等が、第二十条第一項から第三項まで又は第二十一条の規定に違反して、保管物件の売却若しくは処分をし、又はしようとしたときも、前項と同様とする。
- 第三章 費用及び報労金
- (費用の負担)
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第二十七条 物件の提出、交付及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く。)は、当該物件の返還を受ける遺失者又は民法第二百四十条(第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得してこれを引き取る者の負担とする。
2 前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。
- (報労金)
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第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。
3 国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない。
- (費用及び報労金の請求権の期間の制限)
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第二十九条 第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。
- (拾得者等の費用償還義務の免除)
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第三十条 拾得者(民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。
- (遺失者の費用償還義務等の免除)
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第三十一条 遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。
- (遺失者の権利放棄による拾得者の所有権取得等)
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第三十二条 すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。ただし、民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。
2 前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。
- (施設占有者の権利取得等)
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第三十三条 第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき又は次条第三号に該当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者を拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定並びに第三十条並びに前条第一項本文及び第二項の規定を適用する。この場合において、第三十条中「警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、「警察署長」とする。
- (費用請求権等の喪失)
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第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を請求する権利並びに民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。
一 拾得をした物件又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者
二 拾得の日から一週間以内に第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者(同条第二項に規定する拾得者及び自ら拾得をした施設占有者を除く。)
三 拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者
四 交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者(特例施設占有者を除く。)
五 交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内(第四条第一項ただし書及び第十三条第一項ただし書に規定する物件並びに第十七条前段の政令で定める高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者(第十七条前段の規定によりその提出をしないことができる場合を除く。)
- 第四章 物件の帰属
- (所有権を取得することができない物件)
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第三十五条 次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定にかかわらず、所有権を取得することができない。
一 法令の規定によりその所持が禁止されている物(法令の規定による許可その他の処分により所持することができる物であって政令で定めるものを除く。)
二 個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証する文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)
三 個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録
四 遺失者又はその関係者と認められる個人の住所又は連絡先が記録された文書、図画又は電磁的記録
五 個人情報データベース等(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第二条第二項に規定する個人情報データベース等をいう。)が記録された文書、図画又は電磁的記録(広く一般に流通している文書、図画及び電磁的記録を除く。)
- (拾得者等の所有権の喪失)
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第三十六条 民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により物件の所有権を取得した者は、当該取得の日から二箇月以内に当該物件を警察署長又は特例施設占有者から引き取らないときは、その所有権を失う。
- (都道府県への所有権の帰属等)
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第三十七条 物件(第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当する物件を除く。)について、すべての遺失者がその有する権利を放棄した場合又は第七条第一項(第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした後三箇月以内(埋蔵物にあっては、六箇月以内。次項において同じ。)に遺失者が判明しない場合において、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する者がないとき(その者のすべてが前条の規定によりその所有権を失ったときを含む。)は、当該物件の所有権は、次の各号に掲げる当該物件を保管する者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に帰属する。
一 警察署長 当該警察署の属する都道府県(第三十五条第一号に掲げる物に該当する物件にあっては、国)
二 特例施設占有者 当該特例施設占有者
2 警察署長は、第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出を受けた物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。
3 特例施設占有者は、保管物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき又は第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内に遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。
- 第五章 雑則
- (権限の委任)
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第三十八条 この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。
- (経過措置)
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第三十九条 この法律の規定に基づき政令又は国家公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、政令又は国家公安委員会規則で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
- (国家公安委員会規則への委任)
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第四十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
- 第六章 罰則
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第四十一条 第二十六条の規定による指示に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条の規定に違反して、書面を交付せず、又は虚偽の記載をした書面を交付した者
二 第二十条第三項又は第二十一条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして売却又は処分をした者
三 第二十三条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者
四 第二十四条第一項の規定に違反して保管物件を提出しなかった者
五 第二十五条第一項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をした者
六 第二十五条第二項の規定に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし、又は保管物件の提示を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
七 第三十七条第三項の規定に違反した者
第四十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第四十四条 第二十四条第二項の規定に違反して物件を提出しなかった者は、二十万円以下の過料に処する。
- 附則
- (施行期日)
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第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
- (経過措置)
-
第二条 改正後の遺失物法の規定及び次条の規定による改正後の民法第二百四十条の規定は、この法律の施行前に拾得をされた物件又は改正前の遺失物法(以下「旧法」という。)第十条第二項の管守者が同項の規定による交付を受け、若しくは同項の占有者が同項の規定による差出しを受けた物件であって、この法律の施行の際現に旧法第一条第一項又は第十一条第一項(これらの規定を旧法第十二条及び第十三条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により警察署長に差し出されていないものについても適用する。
2 この法律の施行の際現に旧法第一条第一項又は第十一条第一項の規定により警察署長に差し出されている物件については、なお従前の例による。
- (民法の一部改正)
-
第三条 民法の一部を次のように改正する。
第二百四十条中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に、「六箇月」を「三箇月」に改める。
- (当せん金付証票法等の一部改正)
-
第四条 次に掲げる法律の規定中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に改める。
一 当せん金付証票法(昭和二十三年法律第百四十四号)第十一条の二第一項
二 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第九十七条第二項
三 スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成十年法律第六十三号)第十九条第一項
- (文化財保護法の一部改正)
-
第五条 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の一部を次のように改正する。
第百条第一項中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第十三条で準用する同法第一条第一項」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第四条第一項」に改め、同条第三項中「第十三条において準用する同法第一条第二項」を「第七条第一項」に改める。
第百一条中「第十三条で準用する同法第一条第一項」を「第四条第一項」に、「差し出された」を「提出された」に改める。
第百八条中「第十三条の規定」を削る。
<遺失物法施行令>
-
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政令第二十一号
遺失物法施行令
内閣は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第九条第一項及び第二項並びに第十条(これらの規定を同法第十三条第二項において準用する場合を含む。)、第十七条、第二十条第一項及び第二項、第二十一条第一項、第三十五条第一項並びに第三十八条の規定に基づき、遺失物法施行令(昭和三十三年政令第百七十二号)の全部を改正するこの政令を制定する。
- (提出を受けた物件の売却の方法等)
-
第一条 遺失物法(以下「法」という。)第九条第一項本文又は第二項(これらの規定を法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署長が提出を受けた物件の売却は、一般競争入札又は競り売り(以下「一般競争入札等」という。)に付して行わなければならない。ただし、次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。
一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物
二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物
三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物
第二条 警察署長は、前条本文の規定により一般競争入札等に付そうとするときは、一般競争入札等の日の前日から起算して少なくとも五日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 一般競争入札等に付そうとする物件の名称又は種類、形状及び数量
二 一般競争入札又は競り売りの別
三 一般競争入札等の日時及び場所
四 買受代金の納付の方法及び期限
2 前項の規定による公告は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより行う。
3 警察署長は、前条第一項ただし書の規定により随意契約によろうとするときは、なるべく二以上の者から見積書を徴さなければならない。
第三条 法第九条第二項第一号(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める物は、次に掲げる物とする。
一 傘
二 衣服
三 ハンカチ、マフラー、ネクタイ、ベルトその他衣服と共に身に着ける繊維製品又は皮革製品
四 履物
五 自転車
2 法第九条第二項第二号(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の政令で定める物は、動物とする。
(提出を受けた物件の処分の方法)
第四条 法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による警察署長が提出を受けた物件の処分は、これを廃棄し、又はこれを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すことにより行うものとする。ただし、動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地においてこれを放つことにより行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第一号に掲げる物に該当するものの処分は、これをその所持の取締りに関する事務を所掌する国の行政機関(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関をいう。)又はその地方支分部局の長に引き渡すことにより行うものとする。
3 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第二号から第五号までに掲げる物のいずれかに該当するものの処分は、国家公安委員会規則で定めるところにより、これを廃棄することにより行うものとする。
- (特例施設占有者の要件)
-
第五条 法第十七条の政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二条第二項又は第三項に規定する事業(旅客の運送を行うものに限る。)の用に供する施設(旅客の利用に供するものに限る。次号から第四号までにおいて同じ。)に係る施設占有者であって、同法第三条第一項の許可を受けたもの
二 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号イに規定する一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第四条第一項の許可を受けたもの
三 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第五項に規定する一般旅客定期航路事業の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第三条第一項の許可を受けたもの
四 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第十八項に規定する国際航空運送事業(本邦内の地点と本邦外の地点との間に路線を定めて一定の日時により航行する航空機により旅客を運送するものに限る。)又は同条第十九項に規定する国内定期航空運送事業(旅客を運送するものに限る。)の用に供する施設に係る施設占有者であって、同法第百条第一項の許可を受けたもの
五 百貨店、遊園地その他の不特定かつ多数の者が利用する施設に係る施設占有者であって、次に掲げる要件に該当するものとして国家公安委員会規則で定めるところによりその施設(移動施設にあっては、その施設占有者の主たる事務所)の所在地を管轄する都道府県公安委員会(当該所在地が道の区域(道警察本部の所在地を包括する方面の区域を除く。)にある場合にあっては、方面公安委員会)が指定したもの
イ 法第四条第二項の規定による交付を受け、又は自ら拾得をする物件の数が前各号に掲げる者に準じて多数に上ると認められる者であること。
ロ 次のいずれにも該当しない者であること。
(1) 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受け復権を得ない者
(2) 禁錮(こ)以上の刑に処せられ、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十三条(同法第二百三十五条の未遂罪に係る部分に限る。)、第二百四十七条、第二百五十四条、第二百五十六条第二項若しくは第二百六十一条に規定する罪若しくは法に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から起算して二年を経過しない者
(3) 法人でその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)のうちに(1)又は(2)に該当する者があるもの
ハ 法第四条第二項の規定による交付を受け、又は自ら拾得をする物件を適切に保管するために必要な施設及び人員を有する者であること。
- (高額な物件)
-
第六条 法第十七条の政令で定める高額な物件は、次に掲げる物件とする。
一 十万円以上の現金
二 額面金額又はその合計額が十万円以上の有価証券
三 貴金属、宝石その他の物であってその価額又はその合計額が十万円以上であると明らかに認められるもの
- (特例施設占有者が保管する物件の売却の方法)
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第七条 法第二十条第一項本文又は第二項の規定による特例施設占有者が保管する物件の売却は、一般競争入札等に付して行わなければならない。ただし、次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、随意契約により売却することができる。
一 速やかに売却しなければ価値が著しく減少するおそれのある物
二 一般競争入札等に付したが買受けの申込みをする者がなかった物
三 売却による代金の見込額が一万円を超えないと認められる物
第八条 特例施設占有者は、前条本文の規定により一般競争入札等に付そうとするときは、一般競争入札等の日の前日から起算して少なくとも五日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 一般競争入札等に付そうとする物件の名称又は種類、形状及び数量
二 一般競争入札又は競り売りの別
三 一般競争入札等の日時及び場所
四 買受代金の納付の方法及び期限
2 前項の規定による公告は、同項各号に掲げる事項を当該特例施設占有者の管理する公衆の見やすい場所に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより行う。
3 特例施設占有者は、前条第一項ただし書の規定により随意契約によろうとするときは、なるべく二以上の者から見積書を徴さなければならない。
- (特例施設占有者が保管する物件の処分の方法)
-
第九条 法第二十一条第一項の規定による特例施設占有者が保管する物件の処分は、これを廃棄し、又はこれを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡すことにより行うものとする。ただし、動物である物件の処分は、これを引き渡すことが適当と認められる者に引き渡し、又は法令の範囲内で同種の野生動物の生息地においてこれを放つことにより行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する物件であって法第三十五条第二号から第五号までに掲げる物のいずれかに該当するものの処分は、国家公安委員会規則で定めるところにより、これを廃棄することにより行うものとする。
- (所持を禁じられた物件のうち所有権を取得することができるもの)
-
第十条 法第三十五条第一号の政令で定める物は、次に掲げる物とする。
一 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第四条第一項第一号若しくは第二号に規定する銃砲(空気けん銃を除く。)又は同項第六号に規定する刀剣類
二 銃砲刀剣類所持等取締法第十四条に規定する美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類
- (権限の委任)
-
第十一条 法の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、当該方面公安委員会が行う。
- 附則
- (施行期日)
-
第一条 この政令は、法の施行の日(平成十九年十二月十日)から施行する。
- (経過措置)
-
第二条 法による改正前の遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第二条ノ二(同法第十一条第二項、第十二条及び第十三条において準用する場合を含む。)の規定により廃棄した物件に関する改正前の遺失物法施行令第七条(同令第十九条において準用する場合を含む。)に規定する書類の整備については、なお従前の例による。
- (地方自治法施行令の一部改正)
-
第三条 地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)の一部を次のように改正する。
第百七十条の五第一項第二号中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第一条」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第四条第一項若しくは第十三条第一項」に改める。
- (関税法施行令の一部改正)
-
第四条 関税法施行令(昭和二十九年政令第百五十号)の一部を次のように改正する。
第二十五条第二号中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に改める。
- (警察庁組織令の一部改正)
-
第五条 警察庁組織令(昭和二十九年政令第百八十号)の一部を次のように改正する。
第十六条第十一号中「遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)」を「遺失物法(平成十八年法律第七十三号)」に改める。
<遺失物法施行規則>
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○国家公安委員会規則第六号
遺失物法(平成十八年法律第七十三号)第五条(同法第十三条第二項において準用する場合を含む。)、第八条(同法第十三条第二項及び同法第十八条において準用する場合を含む。)、第十一条第一項(同法第十三条第二項において準用する場合を含む。)、第十七条、第二十条第三項、第二十一条第二項、第二十二条第一項、第二十三条、第三十七条第二項及び第三項並びに第四十条並びに遺失物法施行令(平成十九年政令第二十一号)第四条第三項、第五条第五号及び第九条第二項の規定に基づき、遺失物法施行規則を次のように定める。
平成十九年三月二十七日
国家公安委員会委員長 溝手顕正
- 遺失物法施行規則
-
目次
第一章 警察署長等の措置
第一節 物件の提出を受けたときの措置(第一条―第四条)
第二節 遺失届の受理等(第五条)
第三節 遺失者等を発見するための措置(第六条―第十二条)
第四節 提出物件の売却等(第十三条―第十六条)
第五節 現金又は売却による代金の預託(第十七条)
第六節 提出物件の返還、引渡し等(第十八条―第二十三条)
第七節 国に帰属した物件の取扱い等(第二十四条・第二十五条)
第二章 施設占有者の措置等
第一節 施設占有者の措置(第二十六条・第二十七条)
第二節 特例施設占有者の指定(第二十八条―第三十条)
第三節 特例施設占有者の措置等(第三十一条―第三十九条)
第三章 雑則(第四十条・第四十一条)
附則
- 第一章 警察署長等の措置
- 第一節 物件の提出を受けたときの措置
- (拾得物件控書の作成)
-
第一条 警察署長は、遺失物法(以下「法」という。)第四条第一項又は法第十三条第一項の規定による提出(以下この章において単に「提出」という。)を受けたときは、別記様式第一号の拾得物件控書を作成しなければならない。
- (拾得者等に対する書面の交付)
-
第二条 法第五条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による書面の交付は、提出を受けた際に、別記様式第二号の拾得物件預り書を作成し、提出者(提出をした拾得者又は施設占有者をいう。次条において同じ。)に交付することにより行うものとする。
- (権利放棄の取扱い等)
-
第三条 警察署長は、提出を受けた場合において、提出者から、提出をした物件(以下「提出物件」という。)について、法第二十七条第一項の費用若しくは法第二十八条第一項若しくは第二項の報労金を請求する権利又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百四十条若しくは同法第二百四十一条の規定若しくは法第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利(以下「費用請求権等」という。)を放棄する旨の申告があったときは、拾得物件控書の権利放棄の申告の欄に提出者の署名を求めるものとする。
2 警察署長は、提出を受けた場合において、提出者が法第三十四条の規定により提出物件に係る費用請求権等を失っているときは、提出者にその旨を説明するものとする。
3 警察署長は、提出を受けた場合において、提出物件が法第三十五条各号に掲げる物に該当すると認められるときは、提出者にその旨を説明するものとする。
- (拾得物件一覧簿の記載等)
-
第四条 警察署長は、提出を受けたときは、直ちに、次に掲げる事項を別記様式第三号の拾得物件一覧簿に記載しなければならない。
一 受理番号
二 法第七条第一項各号に掲げる事項
2 警察署長は、法第十七条前段の規定による届出(以下第五条第一項、第二十九条第二項、第三十二条及び第三十三条第一項を除き単に「届出」という。)を受けたときは、直ちに、次に掲げる事項を別記様式第四号の特例施設占有者保管物件一覧簿に記載しなければならない。
一 前項各号に掲げる事項
二 届出をした特例施設占有者の氏名又は名称
三 法第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)の保管の場所及びその電話番号その他の連絡先
- 第二節 遺失届の受理等
-
第五条 警察署長は、遺失者から物を遺失した旨の届出(以下「遺失届」という。)を受けたときは、別記様式第五号の遺失届出書により受理するものとする。
2 警察署長は、遺失届を受けたときは、直ちに、遺失届出書に受理番号を付すとともに、次に掲げる事項を別記様式第六号の遺失届一覧簿に記載しなければならない。
一 受理番号
二 物件の種類及び特徴
三 遺失の日時及び場所その他必要な事項
- 第三節 遺失者等を発見するための措置
- (遺失届の有無の調査)
-
第六条 警察署長は、提出又は届出を受けたときは、当該提出物件又は保管物件について、遺失届一覧簿における該当する遺失届に係る記載の有無を確認するものとする。この場合において、当該物件の遺失者を知ることができないときは、当該物件に係る第八条第一項の規定による報告又は同条第二項の規定による通報の有無を警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)に照会するものとする。
- (提出物件等の有無の調査)
-
第七条 警察署長は、遺失届を受けたときは、当該遺失届に係る物件について、拾得物件一覧簿及び特例施設占有者保管物件一覧簿における該当する提出物件又は保管物件に係る記載の有無を確認するものとする。この場合において、当該物件に係る記載がないときは、当該物件に係る法第八条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による通報又は第十条第一項の規定による報告若しくは同条第二項の規定による通報の有無を警察本部長に照会するものとする。
- (遺失届に係る警察本部長への報告等)
-
第八条 警察署長は、前条の規定による確認又は照会の結果、当該遺失届に係る物件に該当する提出物件又は保管物件がないときは、第五条第二項各号に掲げる事項並びに遺失者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を警察本部長に報告するものとする。
2 前項の規定による報告を受けた警察本部長は、当該遺失届に係る物件の遺失の場所が他の都道府県警察の管轄区域内にあるときは、第五条第二項各号に掲げる事項及び遺失者の氏名又は名称を当該他の都道府県警察の警察本部長に通報するものとする。
- (掲示の様式等)
-
第九条 法第七条第二項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による掲示は、別記様式第七号(保管物件に係る掲示にあっては、別記様式第八号)を用いて行うものとする。
2 法第七条第三項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)に規定する書面は、拾得物件一覧簿(保管物件に係る書面にあっては、特例施設占有者保管物件一覧簿)とする。
- (公告をした物件に係る警察本部長への報告等)
-
第十条 警察署長は、法第七条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をしたときは、次に掲げる事項を警察本部長に報告するものとする。
一 第四条第一項各号(保管物件にあっては、同条第二項各号)に掲げる事項
二 公告の日付
2 前項の規定による報告を受けた警察本部長は、当該公告に係る物件の拾得の場所が他の都道府県警察の管轄区域内にあるときは、同項各号に掲げる事項を当該他の都道府県警察の警察本部長に通報するものとする。
- (他の警察本部長に通報する貴重な物件)
-
第十一条 法第八条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の国家公安委員会規則で定める物件は、次に掲げる物件とする。
一 一万円以上の現金
二 額面金額又はその合計額が一万円以上の有価証券
三 その価額又はその合計額が一万円以上であると明らかに認められる物
四 運転免許証、健康保険の被保険者証、外国人登録証明書その他法律又はこれに基づく命令の規定により交付された書類であって、個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証するもの
五 預貯金通帳若しくは預貯金の引出用のカード又はクレジットカード
六 携帯電話用装置
- (警察本部長による公表)
-
第十二条 法第八条第二項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公表は、当該都道府県警察の警察署長が法第七条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした物件及び他の警察本部長から法第八条第一項(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による通報を受けた物件のうち当該都道府県警察の管轄区域内で拾得されたものについて、次に掲げる 事項を、遺失者が判明するまでの間又は公告の日から三箇月(埋蔵物にあっては、六箇月)を経過する日までの間、インターネットの利用により公表することにより行うものとする。
一 物件の種類及び特徴
二 物件の拾得の日及び場所
三 物件の公告に係る警察署の名称及び電話番号その他の連絡先(保管物件にあっては、届出をした特例施設占有者の氏名又は名称並びに保管の場所及びその電話番号その他の連絡先)
- 第四節 提出物件の売却等
- (物件売却書の作成等)
-
第十三条 警察署長は、法第九条第一項本文又は第二項(これらの規定を法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却(第十七条において単に「売却」という。)をしたときは、拾得物件控書の備考欄にその旨及び売却の日並びに売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を記載するとともに、別記様式第九号の物件売却書を作成し、法第三十六条に規定する期間が満了するまでの間、保存しなければならない。
- (処分をする場合における拾得者等への通知)
-
第十四条 警察署長は、法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による処分をするときは、あらかじめ民法第二百四十条若しくは同法第二百四十一条の規定又は法第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得する権利を有する者に、その旨を通知するものとする。ただし、その者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
- (提出物件の廃棄の方法)
-
第十五条 遺失物法施行令(以下「令」という。)第四条第三項の規定による廃棄は、次の各号に 掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができないようにすること。
- (物件処分書の作成等)
-
第十六条 警察署長は、法第十条(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による処分をしたときは、拾得物件控書及び拾得物件一覧簿の備考欄にその旨及び処分の日を記載するとともに、別記様式第十号の物件処分書を作成し、法第三十六条に規定する期間が満了するまでの間、保存しなければならない。
- 第五節 現金又は売却による代金の預託
- (遺失者が判明したときの措置等)
-
第十八条 警察署長は、提出物件又は保管物件の遺失者が判明したときは、速やかに、当該物件の返還に係る手続を行う場所並びに当該物件に係る法第二十七条第一項の費用及び法第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務がある旨を当該遺失者に通知するものとする。
2 警察署長は、提出物件を遺失者に返還するときは、当該物件に係る法第二十七条第一項の費用又は法第二十八条第一項若しくは第二項の報労金を請求する権利を有する拾得者又は施設占有者に対し、当該物件を返還する旨を通知するものとする。ただし、当該拾得者又は施設占有者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
3 警察署長は、前項の規定による通知をするときは、法第十一条第二項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する同意(第二十六条において単に「同意」という。)の有無を確認するものとする。ただし、前項の拾得者又は施設占有者が、あらかじめ拾得物件控書 の氏名等告知の同意の欄に署名をしている場合は、この限りでない。
4 警察署長は、提出物件について、民法第二百四十条又は同法第二百四十一条に規定する期間内に遺失者が判明しない場合において、次の表の上欄に掲げるときは、同表の中欄に掲げる者に対し、同表の下欄に掲げる事項を通知するものとする。ただし、同表の中欄に掲げる拾得者又は施設占有者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
※以下表組み
拾得者が民法第二百四十条又は同法第二百四十一条の規定により所有権を取得する権利を有するとき。
一 拾得者
当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該物件に係る法第二十七条第一項の費用があるときはこれを償還する義務がある旨
二 法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する施設占有者
当該物件の所有権を取得してこれを引き取る拾得者に法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する旨
拾得者が民法第二百四十条又は同法第二百四十一条の規定により所有権を取得する権利を有しないとき。
一 法第三十三条の規定により拾得者とみなされる施設占有者
当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該物件に係る法第二十七条第一項の費用があるときはこれを償還する義務がある旨
二 法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する拾得者
当該物件の所有権を取得してこれを引き取る施設占有者に法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する旨
※以上表組み
5 警察署長は、提出物件の遺失者が判明しない場合において拾得者が所有権を取得することとなるべき期日、当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該物件について法第二十七条第一項の費用があるときは当該費用は当該物件を引き取る者の負担となる旨をあらかじめ拾得物件預り書に記載することにより、前項の規定による通知に代えることができる。
- (送付による提出物件の返還及び引渡し)
-
第十九条 警察署長は、提出物件の返還に係る手続を行う場所を来訪することが困難であると認められる遺失者から提出物件の返還を求められたときは、遺失者の申出により、遺失者から別記様式第十一号の物件送付依頼書を徴した上、これに記載された方法により、提出物件を送付することができる。
2 前項に規定する場合において、送付に要する費用は、遺失者の負担とする。
3 前二項の規定は、民法第二百四十条若しくは同法第二百四十一条の規定又は法第三十二条第一項の規定により提出物件の所有権を取得した者(以下この節において「権利取得者」という。)に対する提出物件の引渡しについて準用する。この場合において、これらの規定中「遺失者」とあるのは、「権利取得者」と読み替えるものとする。
- (警察署長による遺失者の確認の方法等)
-
第二十条 法第十一条第一項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
2 法第十一条第一項(法第十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する受領書の様式は、別記様式第十二号のとおりとする。
3 警察署長は、提出物件を権利取得者に引き渡すときは、次に掲げる方法その他の適当な方法により、引渡しを求める者が当該物件の権利取得者であることを確認し、別記様式第十二号の受領書又は拾得物件預り書と引換えに引き渡さなければならない。
一 引渡しを求める者からその氏名等を証するに足りる書面及び当該物件に係る拾得物件預り書又は法第十四条に規定する書面の提示を受けること。
二 引渡しを求める者から当該物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を聴取し、当該物件に係る拾得物件控書に記載された内容と照合すること。
- (所持を禁じられた物件を拾得者に引き渡す場合の手続)
-
第二十一条 警察署長は、令第十条各号に掲げる物に該当する物件を銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)の規定による許可又は登録を受けた権利取得者に引き渡そうとするときは、当該物件に係る許可証又は登録証の提示を受けなければならない。
- (照会書の様式)
-
第二十二条 警察署長は、法第十二条(法第十三条第二項及び法第十八条において準用する場合を含む。)の規定による照会を書面により行うときは、別記様式第十三号の拾得物件関係事項照会書を用いるものとする。
- (費用の請求)
-
第二十三条 警察署長は、法第二十七条第一項の費用を当該物件の返還を受ける遺失者又は当該物件の引渡しを受ける権利取得者に請求するときは、別記様式第十四号の請求書を交付するものとする。
- 第七節 国に帰属した物件の取扱い等
- (国に帰属した物件の取扱い)
-
第二十四条 警察署長は、法第三十七条第一項第一号の規定により物件の所有権が国に帰属したときは、当該物件を速やかにその所持の取締りに関する事務を所掌する国の行政機関(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関をいう。)又はその地方支分部局の長に引き渡さなければならない。
- (所有権を取得することができない物件の廃棄の方法)
-
第二十五条 法第三十七条第二項の規定による廃棄は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができないようにすること。
- 第二章 施設占有者の措置等
- 第一節 施設占有者の措置
- (施設占有者による物件の提出)
-
第二十六条 施設占有者は、法第四条第一項又は法第十三条第一項の規定により警察署長に物件を提出するときは、次に掲げる事項を記載した提出書を当該警察署長に提出しなければならない。
一 物件に関する事項
イ 物件の種類及び特徴
ロ 物件の拾得の日時及び場所
ハ 物件の交付の日時
二 施設占有者及び拾得者に関する事項
イ 施設占有者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
ロ 拾得者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
ハ 施設占有者及び拾得者の費用請求権等の有無
ニ 同意の有無
- (施設占有者による掲示等の期間)
-
第二十七条 法第十六条第一項の規定による掲示及び同条第二項の規定による書面の備付けは、法第四条第二項の規定により物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をした日から当該物件の遺失者が判明するまでの間又は当該物件を警察署長に提出するまで(保管物件にあっては、公告の日から三箇月を経過する日まで)の間、行うものとする。
- 第二節 特例施設占有者の指定
- (指定)
-
第二十八条 令第五条第五号の規定による指定(以下単に「指定」という。)は、指定を受けようとする施設占有者の申請に基づき行うものとする。
2 指定を受けようとする施設占有者は、次に掲げる事項を記載した申請書をその施設(移動施設にあっては、その施設占有者の主たる事務所)の所在地を管轄する都道府県公安委員会(当該所在地が道の区域(道警察本部の所在地を包括する方面の区域を除く。)にある場合にあっては、方面公安委員会。以下「公安委員会」という。)に提出しなければならない。
一 氏名等及び法人にあっては、その代表者の氏名
二 施設の名称及び所在地(移動施設にあっては、その概要及び移動の範囲)
三 物件の保管の場所
四 施設における推定による一箇月間の法第四条第二項の規定により交付を受け、又は自ら拾得をする物件の数及びその算出の基礎
3 前項の申請書には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める書類を添付しなければならない。
一 申請者が個人である場合
イ 住民票(本籍が記載されているものに限るものとし、日本国籍を有しない者にあっては、外国人登録証明書)の写し
ロ 令第五条第五号ロ(1)及び(2)に掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
ハ 物件の保管を行うための施設及び人的体制の概要を記載した書面
二 申請者が法人である場合
イ 法人の登記事項証明書
ロ 定款又はこれに代わる書面
ハ 役員に係る前号イ及びロに掲げる書面
ニ 前号ハに掲げる書面
4 公安委員会は、指定をしたときは、当該指定を受けた施設占有者(以下「指定特例施設占有者」という。)に係る第二項第一号及び第二号に掲げる事項を公示するものとする。
- (公示事項等の変更)
-
第二十九条 指定特例施設占有者は、前条第四項の規定による公示に係る事項を変更しようとするときは、あらかじめその旨を公安委員会に届け出なければならない。
2 公安委員会は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示するものとする。
3 指定特例施設占有者は、前条第三項に掲げる書類の記載事項に変更があったときは、速やかにその旨を公安委員会に届け出なければならない。
- (指定の取消し)
-
第三十条 公安委員会は、指定特例施設占有者が令第五条第五号に規定する指定の要件に該当しなくなったと認められるときは、その指定を取り消すことができる。
2 公安委員会は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示するものとする。
- 第三節 特例施設占有者の措置等
- (保管物件の届出等)
-
第三十一条 届出は、別記様式第十五号の保管物件届出書を提出することにより行うものとする。
2 警察署長は、法第十八条において準用する法第七条第一項の規定により保管物件の公告をしたときは、当該公告の日付を当該保管物件に係る届出をした特例施設占有者に通知するものとする。
- (売却の届出)
-
第三十二条 法第二十条第三項の規定による届出は、別記様式第十五号の物件売却届出書を提出することにより行うものとする。
- (処分の届出等)
-
第三十三条 法第二十一条第二項の規定による届出は、別記様式第十五号の物件処分届出書を提出することにより行うものとする。
2 特例施設占有者は、法第二十一条第一項の規定による処分をするときは、その旨をあらかじめ民法第二百四十条の規定又は法第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得する権利を有する拾得者に通知するものとする。ただし、当該拾得者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
- (保管物件の廃棄の方法)
-
第三十四条 令第九条第二項の規定による廃棄は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができないようにすること。
- (遺失者が判明したときの措置等)
-
第三十五条 特例施設占有者は、保管物件の遺失者が判明したときは、速やかに、当該物件の返還に係る手続を行う場所並びに当該物件に係る法第二十七条第一項の費用及び法第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務がある旨を当該遺失者に通知するものとする。
2 特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、当該物件を返還する旨を当該物件に係る法第二十七条第一項の費用又は法第二十八条第二項の報労金を請求する権利を有する拾得者に通知するものとする。ただし、当該拾得者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
3 特例施設占有者は、前項の通知をするときは、法第二十二条第二項に規定する同意(以下この項において単に「同意」という。)の有無を確認するものとする。ただし、前項の拾得者が、あらかじめ同意をする旨を記載した書面を当該特例施設占有者に提出している場合は、この限りでない。
4 特例施設占有者は、保管物件について、民法第二百四十条に規定する期間内に遺失者が判明しない場合において、次の表の上欄に掲げるときは、同表の中欄に掲げる者に対し、同表の下欄に掲げる事項を通知するものとする。ただし、当該拾得者の所在を知ることができない場合は、この限りでない。
※以下表組み
拾得者が民法第二百四十条の規定により所有権を取得する権利を有するとき。
拾得者
当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び物件に係る法第二十七条第一項の費用があるときはこれを償還する義務がある旨
拾得者が民法第二百四十条の規定により所有権を取得する権利を有しないとき。
法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有する拾得者
当該物件の所有権を取得してこれを引き取る施設占有者に法第二十七条第一項の費用を請求する権利を有利を有する旨
※以上表組み
5 特例施設占有者は、保管物件の遺失者が判明しない場合において拾得者が所有権を取得することとなるべき期日、当該物件の引渡しに係る手続を行う場所及び当該物件について法第二十七条第一項の費用があるときは当該費用は当該物件を引き取る者の負担となる旨を記載した書面をあらかじめ拾得者に交付することにより、前項の規定による通知に代えることができる。
- (送付による保管物件の返還及び引渡し)
-
第三十六条 特例施設占有者は、保管物件の返還に係る手続を行う場所を来訪することが困難であると認められる遺失者から保管物件の返還を求められたときは、遺失者の申出により、遺失者から保管物件の送付を依頼する旨及び送付の方法を記載した書面を徴した上、当該方法により、保管物件を送付することができる。
2 前項に規定する場合において、送付に要する費用は、遺失者の負担とする。
3 前二項の規定は、民法第二百四十条の規定又は法第三十二条第一項の規定により保管物件の所有権を取得した拾得者(以下この節において「権利取得者」という。)に対する保管物件の引渡しについて準用する。この場合において、これらの規定中「遺失者」とあるのは、「権利取得者」と読み替えるものとする。
- (特例施設占有者による遺失者の確認の方法等)
-
第三十七条 法第二十二条第一項の規定による確認は、次に掲げる方法その他の適当な方法により行うものとする。
一 返還を求める者からその氏名等を証するに足りる書面の提示を受けること。
二 返還を求める者から当該物件の種類及び特徴並びに遺失の日時及び場所を聴取し、法第二十三条に規定する帳簿に記載された内容と照合すること。
2 特例施設占有者は、保管物件を権利取得者に引き渡すときは、次に掲げる方法その他の適当な方法により、引渡しを求める者が当該物件の権利取得者であることを確認し、当該物件を受領した旨を記載した書面と引換えに引き渡さなければならない。
一 引渡しを求める者からその氏名等を証するに足りる書面及び当該物件に係る法第十四条に規定する書面の提示を受けること。
二 引渡しを求める者から当該物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を聴取し、法第二十三条に規定する帳簿に記載された内容と照合すること。
- (所有権を取得することができない物件の廃棄の方法)
-
第三十八条 法第三十七条第三項の規定による廃棄は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるところにより行うものとする。
一 法第三十五条第二号に掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件により個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証することができないようにすること。
二 法第三十五条第三号から第五号までに掲げる物に該当する物件 当該物件を焼却、裁断、破砕、溶解その他の方法により、当該物件に記録された個人の秘密に属する事項、遺失者若しくはその関係者と認められる個人の住所若しくは連絡先又は個人情報データベース等を構成する個人情報を認識することができないようにすること。
- (帳簿)
-
第三十九条 法第二十三条に規定する帳簿は、記載の日から三年間、保存しなければならない。
2 法第二十三条の国家公安委員会規則で定める事項は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項とする。
一 届出をした場合
イ 届出の日
ロ 届出の提出先の警察署長
ハ 物件の種類及び特徴
ニ 物件の拾得の日時及び場所
ホ 物件が法第四条第二項の規定による交付を受けたものであるときは、当該交付の日時
ヘ 拾得者の氏名等
二 保管物件を遺失者に返還した場合
イ 返還の日
ロ 遺失者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
三 遺失者が保管物件についてその有する権利を放棄した場合
イ 権利を放棄した日
ロ 遺失者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
四 法第四条第二項の規定により交付を受けた保管物件について、拾得者が所有権を取得する権利を放棄した場合 権利を放棄した日
五 法第四条第二項の規定により交付を受けた保管物件を権利取得者に引き渡した場合
イ 引渡しの日
ロ 権利取得者の氏名等及び電話番号その他の連絡先
六 法第二十条第一項又は第二項の規定による売却をした場合
イ 売却の日
ロ 売却の理由、方法及び経過
ハ 買受人の氏名等及び電話番号その他の連絡先
ニ 売却による代金の額
ホ 売却に要した費用の額
七 法第二十一条第一項の規定による処分をした場合
イ 処分の日
ロ 処分の理由及び方法
八 法第三十七条第一項第二号の規定により保管物件の所有権が自らに帰属した場合 所有権が帰属した日
九 法第三十七条第三項の規定により保管物件を廃棄した場合
イ 廃棄の日
ロ 廃棄の方法
- 第三章 雑則
- (施設占有者に対する指導及び助言)
-
第四十条 警察署長は、施設占有者に、遺失者及び拾得者の権利の保護と利便の向上を図るための措置が確実に行われるよう、必要な指導及び助言を行うものとする。
- (フレキシブルディスクによる手続)
-
第四十一条 次の各号に掲げる書類の当該各号に定める規定による提出については、当該書類の提出に代えて当該書類に記載すべきこととされている事項を記録したフレキシブルディスク及び別記様式第十六号のフレキシブルディスク提出票を提出することにより行うことができる。
一 提出書 第二十六条
二 申請書 第二十八条第二項
三 物件の保管を行うための施設及び人的体制の概要を記載した書面 第二十八条第三項
四 定款又はこれに代わる書面第二十八条第三項
五 保管物件届出書 第三十一条第一項
六 物件売却届出書 第三十二条
七 物件処分届出書 第三十三条第一項
2 前項のフレキシブルディスクは、工業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本工業規格(以下この条において単に「日本工業規格」という。)X六二二三に適合する九十ミリメートルフレキシブルディスクカートリッジでなければならない。
3 第一項の規定によるフレキシブルディスクへの記録は、次に掲げる方式に従って行わなければならない。
一 トラックフォーマットについては、日本工業規格X六二二五に規定する方式
二 ボリューム及びファイル構成については、日本工業規格X〇六〇五に規定する方式
三 文字の符号化表現については、日本工業規格X〇二〇八附属書一に規定する方式
4 第一項の規定によるフレキシブルディスクへの記録は、日本工業規格X〇二〇一及びX〇二〇八に規定する図形文字並びに日本工業規格X〇二一一に規定する制御文字のうち「復帰」及び「改行」を用いて行わなければならない。
5 第一項のフレキシブルディスクには、日本工業規格X六二二三に規定するラベル領域に、次に掲げる事項を記載した書面をはり付けなければならない。
一 提出者の名称
二 提出年月日
附則
- (施行期日)
-
1 この規則は、法の施行の日(平成十九年十二月十日)から施行する。
(遺失物取扱規則の廃止)
2 遺失物取扱規則(平成元年国家公安委員会規則第四号)は、廃止する。
(遺失物取扱規則の廃止に伴う経過措置)
3 法の施行の際現に法による改正前の遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)第一条第一項又は第十一条第一項の規定により警察署長に差し出されている物件及び前項の規定による廃止前の遺失物取扱規則(以下「旧規則」という。)第八条第一項の規定により警察署長が受理している遺失届については、旧規則の規定は、この規則の施行後も、なおその効力を有する。
(国家公安委員会の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する規則の一部改正)
4 国家公安委員会の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する規則(平成十七年国家公安委員会規則第七号)の一部を次のように改正する。
※以下表組み
別表第一中
遺失物法施行令(昭和三十三年政令第百七十二号)
第十条第二項において読み替えて準用する第二条第二項
を
遺失物法(平成十八年法律第七十三号)
第十六条第二項及び二十三条
遺失物法施行令(平成十九年政令第二十一号)
第八条第二項
に改める。
別表第三中
遺失物法施行令
第十条第二項において読み替えて準用する第二条第二項
を
遺失物法
第十六条第二項及び第二十三条
遺失物法施行令
第八条第二項
に改める。
別表第四を次のように改める。
別表第四
遺失物法
第十六条第二項及び二十三条
遺失物法施行令
第八条第二項
※施行規則ではこれ以下に「取得物件控書」、「取得物件預り書」、「取得物件一覧簿」、「特例施設占有者保管物件一覧簿」、「遺失届出書」、「遺失届一覧簿」、「拾得物件公告」、「保管物件公告」、「物件売却書」、「物件処分書」、「物件送付依頼書」、「受領書」、「拾得物件関係事項照会書」、「請求書」、「保管物件、物件売却、物件処分届出書」、「フレキシブルディスク提出票」のサンプルを掲載(省略)。
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