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◎埋蔵金関連法律 詳解その2 旧<遺失物法>

 実に100年ぶりに“遺失物法”が全面改正された(2007年12月10日施行)。成立は2006年6月「平成18年法律第73号」で、2006年6月15日に公布されている。この、新“遺失物法”により、やっと庶民にもとても分かりやすい法律になったといえる。
 で、こちらのページは当WEBサイトが、それまで、旧“遺失物法”の“日本語訳”!? を載せて理解を深めてもらうコーナーとして開設していたもの。未練がましく残してあります。
 明治32年から21世紀のつい最近まで、こんな法律に縛られていたことにご注目。いや、逆に新“遺失物法”といっても中身はほとんど変わらないことに驚くかもしれない。それ程身近ではない法律だったのか? それともあまりに身近故、見直す必要がなかったのか…。
 時間の余裕がある方は楽しんでみてください。

<遺失物法>

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公布:明治32年3月24日法律第87号     施行:明治32年3月16日
改正:大正2年法律第4号         施行:
改正:昭和25年5月30日法律第214号    施行:昭和25年8月29日
改正:昭和26年5月23日法律第157号    施行:昭和26年5月23日
改正:昭和29年6月8日法律第163号     施行:昭和29年7月1日
改正:昭和33年3月10日法律第5号     施行:昭和33年7月1日
改正:平成11年12月22日法律第160号    施行:平成13年1月6日
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第一条 他人ノ遺失シタル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ遺失者又ハ所有者其ノ他物件回復ノ請求権ヲ有スル者ニ其ノ物件ヲ返還シ又ハ警察署長ニ之ヲ差出スヘシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件ハ返還スルノ限ニアラス
2 物件ヲ警察署長ニ差出シタルトキハ警察署長ハ物件ノ返還ヲ受クヘキ者ニ之ヲ返還スヘシ若シ返還ヲ受クヘキ者ノ氏名又ハ居所ヲ知ルコト能ハサルトキハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ公告ヲ為スヘシ
『第一条 誰かさんが“なくした”モノを拾った人は、すみやかにそれをなくした人、または所有者、返してもらう権利のある人に返還するか、警察署長に差し出すこと。ただし、法令の規定により、私有が許されないモノに関しては返還しない。
2 警察署長は、差し出された遺失物について返還を受けられる人が判明すれば返還し、判明しなかった時は政令に従って遺失物が差し出されたことを“公告”しなければいけない。』

 ここでの第一のポイントは『遺失シタル物件』で、“遺失”とは「物や金を落としたり、置き忘れたりしてなくすこと」というのが辞書的解釈で、また、法律的には「動産が所有者の意思によらずにその所持から離れること」とある。つまり常識的には落とし物、忘れ物だが、広い解釈で落としたあと地面に埋まってしまった、最初から地面に埋めたが忘れてしまった、埋めた本人が亡くなるなどしてそのままになってしまった、等、“意志”によらなければ全て“遺失物”とされる。
 もう一つのポイントは『差出スヘシ』なのは警察署長宛ということ。現実には警察署への提出で済まされているが、本来は警察署長宛に届ける。まあ、猫ババを警戒したワケではないのだろうが、引っかかる条文だ。また、遺失物に関してはこの<遺失物法>に始まり、<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>のほか、各都道府県県警ごとに定められている<遺失物取扱規定>によって取り扱われるということ。つまり、同じ遺失物でも届け出た後の取り扱いは県警によっては若干の違いもあり得るわけだ。
 第三のポイントは『私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件』というところ。ここでの物件とは法で所持を禁止された銃や麻薬など。ただし“犯罪に関係すると思われる物件”の場合は別に第十一条に規定されている。また、埋まっていた物が“文化財”の可能性があるモノの場合だと、これはこれで<文化財保護法>の“埋蔵文化財”として別の扱いになる事もご承知おきを。
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第二条 警察署長ハ其ノ保管ノ物件滅失又ハ毀損ノ虞アルトキ又ハ其ノ保管ニ不相当ノ費用若ハ手数ヲ要スルトキハ政令ノ定ムル方法ニ従ヒ之ヲ売却スルコトヲ得
2 売却ノ費用ハ売却代金ヨリ支弁ス
3 売却費用ヲ控除シタル売却代金ノ残額ハ拾得物ト看做シテ之ヲ保管ス
『第二条 警察署長は差し出された遺失物がなくなったり壊れたりする可能性があるモノの場合、またそれを保管するには費用がバカにならないような場合は、売却してしまうことがある。
2 売却するための費用は売却代金から支払う。
3 売却のための費用を引いた残りの売却代金を“拾得物”とみなして保管する。』

 まあ、簡単に言えば生ものとか長期保管に向かないモノは売却して、売却費用を引いた額のお金にして保管する、ってこと。第二条ですでに言い回しが『拾得物』となっている点に注目したい。<遺失物法>自体が“遺失”の事実より“拾得”した後のあれやこれや面を中心に規定している法律だということを良く現しているのでは。<拾得物法>としなかったのは何故だろう?
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第二条ノ二 前条第一項ノ規定ニ依リ売却ニ付スルモ売却スルコト能ハザリシ物件又ハ売却スルコト能ハズト認メラルル物件ハ警察署長ニ於テ之ヲ廃棄スルコトヲ得
『第二条の二 第二条によって売却する物件と判断しても売れるようなモノではなかったり、実際に売れなかったりした場合は警察署長権限で廃棄してしまうことができる。』

 遺失した本人にとってはどんなに大切なモノでも、金銭的な価値がなければ廃棄してしまうこともあります、という条文だ。届けられたモノ全てを保管していたらどんなにスペースがあっても足りない。実際にはすぐに廃棄するわけではなく、先ほどの<遺失物取扱規定>に従って取り扱われる。
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第三条 拾得物ノ保管費公告費其ノ他必要ナル費用ハ物件ノ返還ヲ受クル者又ハ物件ノ所有権ヲ取得シ之ヲ引取ル者ノ負担トシ民法第二百九十五条乃至第三百二条ノ規定ヲ適用ス
『第三条 拾得物の保管の費用や公告のために使った費用は、返還を受ける人、または所有権を得て引き取る人の負担です。また保管に当たっては<民法>第二百九十五条ないし第三百二条の規定を適用する。』

<民法>第二百九十五条と第三百二条は保管中の物件に関して生じた債権問題、及びそれに派生する留置権に関するアレコレを規定したもの。本題とはあまり関係がないので詳しく知りたい方はご自分で。
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第四条 物件ノ返還ヲ受クル者ハ物件ノ価格百分ノ五ヨリ少カラス二十ヨリ多カラサル報労金ヲ拾得者ニ給スヘシ但シ国庫其ノ他公ノ法人ハ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス
2 物件ノ返還ヲ受クル者ハ第十条第二項ノ占有者アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル報労金ノ額ノ二分ノ一宛ヲ拾得者及占有者ニ給スベシ
『第四条 物件の返還を受ける者は、物件の価格の5%~20%の範囲で“報労金”を拾得者に与えなさい。ただし、国庫その他、公の法人は“報労金”を請求することはできない。
2 物件の返還を受ける者は、第十条第二項の占有者がある場合においては前項の規定による“報労金”の額の2分の1を拾得者及び占有者に与えなさい。』

 金額面でまま問題になることのある“報労金”の規定だ。発見の“労”に“報いる”“金”。だからたまたま道でサイフを拾った、というのと埋蔵金を苦心惨憺の上発見した、では“労”の大きさは天と地ほども違うが、あくまで返還を受ける者が“自らの裁量で算出する”規定となっている。また、船やクルマ、施設など一般に供するスペース以外の場所で見つかった場合は“報労金”は規定の1/2を拾得者、占有者に与えるということ。
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第五条 第二条ニ依リ売却シタル物件ニ付テハ売却代金ノ額ヲ以テ物件ノ価格トス
『第五条 第二条により売却した物件については、売却代金の額をもって物件の価格とする。』

 法律を作る時、何で第二条に続けなかっただろうか? それはともかく、内容は条文のとおり。何でこの規定があるかといえば、売却してしまった後に権利者が「あれはもっと高価なモノだ、云々」とトラブルにならないようにという配慮といえる。
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第六条 第三条ノ費用及第四条ノ報労金ハ物件ヲ返還シタル後一箇月ヲ過クルトキハ之ヲ請求スルコトヲ得ス
『第六条 第三条の費用および第四条の“報労金”は物件を返却した後、一ヶ月を経過してしまうと請求の権利をなくす。』

 こちらも読んで字のごとく。“報労金”が欲しいのであれば、返却後一ヶ月以内に意思表示をすること。売却にかかった費用もだ。ちなみに返却は警察署が行うので、連絡が行き違うこともあり得る。自ら「どうなりましたか~」の問合せは必要だろう。
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第七条 拾得者ハ予メ申告シテ拾得物ニ関スル一切ノ権利ヲ抛棄シ第三条ノ費用弁償ノ義務ヲ免ルルコトヲ得
『第七条 拾得者はあらかじめ申告して、拾得物に関する一切の権利を放棄し、第三条の費用弁済の義務を回避することが出来る。』

 拾ったモノが価値のあるモノばかりとは限らない。“報労金”よりも保管費用の方がかかってしまい、それを請求された、などということのないように、拾得者に損害が降りかからないようにこの規定がある。
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第八条 物件ノ返還ヲ受クヘキ者ハ其ノ権利ヲ抛棄シテ第三条ノ費用及第四条ノ報労金弁償ノ義務ヲ免ルルコトヲ得
2 物件ノ返還ヲ受クヘキ各権利者其ノ権利ヲ抛棄シタルトキハ拾得者其ノ物件ノ所有権ヲ取得ス但シ拾得者其ノ取得権ヲ抛棄シ第一項ノ例ニ依ルコトヲ得
3 法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件(行政庁ノ許可其ノ他之ニ類スル処分ニ依リ所有所持スルコトヲ認メラルル物件ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)ヲ拾得シタル者ハ所有権ヲ取得スルノ限ニアラス
『第八条 物件の返還を受ける者は、その権利を放棄して第三条の費用、および第四条の報労金支給の義務を回避することが出来る。
2 物件の返還を受けるべき権利者がその権利を放棄した時は、拾得者はその物件の所有権を取得する。ただし、拾得者もその権利を放棄し第一項の例にならうことができる。
3 法令の規定により、所有所持が禁止された物件(行政庁の許可、その他これに類する処分により所有所持することを認められた物件にして、政令を持って定められたモノを除く)を拾得した人は、所有権を取得することは出来ない。』

 こちらは遺失した側の権利の放棄の規定だ。さらに遺失した側が権利を放棄した場合、拾得者も同様権利を放棄出来る取り決め。3のところは第一条と同様、法に反する物件は遺失側が権利を放棄しても拾得者に権利は与えられない、ということ。
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第九条 拾得物其ノ他本法ノ規定ヲ準用スル物件ヲ横領シタルニ依リ処罰セラレタル者及拾得ノ日(次条第二項ノ占有者ニ在リテハ其ノ管守者同項ノ規定ニ依リ物件ノ交付ヲ受ケタル日以下同ジ)ヨリ七日内ニ第一条第一項又ハ第十一条第一項ノ手続ヲ為ササル者ハ第三条ノ費用及第四条ノ報労金ヲ受クルノ権利並ニ拾得物ノ所有権ヲ取得スルノ権利ヲ失フ拾得ノ時ヨリ二十四時間内ニ次条第二項ノ規定ニ依リ船車建築物等ノ管守者ニ物件ノ交付ヲ為サザル者亦同ジ
『第九条 拾得物、その他の本法の規定を準用する物件を横領したことで処罰された者、および拾得の日(次条第二項の占有者にあってはその管守者、同項の規定により物件の交付を受けた日、以下同様)より七日以内に第一条第一項または第十一条第一項の手続きをしなかった者は、第三条の費用及び第四条の報労金を受ける権利、並びに拾得物の所有権を取得する権利を失う。拾得の時より二十四時間以内に次条第二項の規定により船、クルマ、建築物等の管守者に物件の交付をなさざる者も同様。』

 この条項は特に注意が必要だ。拾得した日から七日以内に警察署長に差し出さなかった場合は、報労金や持ち主が現れなかった時の所有権等の権利をなくしてしまうと規定されている。この条項があるために「遺失物は七日以内に届け出ないといけない」と勘違いされている方が多いが、「七日以内に届け出なかった場合、その後の権利を全て失う」というのが本来の意味。そして忘れてはならないのは「遺失物を発見した時は、すみやかに提出しなければならない」の第一条の記載だ。“すみやかに”なので気をつけてもらいたい。
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第十条 船車建築物其ノ他ノ施設ノ占有者ノ為之ヲ管守スル者其ノ管守スル場所ニ於テ他人ノ物件ヲ拾得シタルトキハ速ニ其ノ物件ヲ占有者ニ差出スベシ此ノ場合ニ於テハ占有者ヲ以テ拾得者ト看做シ本法及民法第二百四十条ノ規定ヲ適用ス
2 管守者アル船車建築物其ノ他本来公衆ノ一般ノ通行ノ用ニ供スルコトヲ目的トセザル構内ニ於テ他人ノ物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ其ノ物件ヲ管守者ニ交付シ交付ヲ受ケタル管守者ハ之ヲ其ノ船車建築物等ノ占有者ニ差出スベシ
3 前項ノ場合ニ於テハ船車建築物等ノ占有者第一条第一項又ハ第十一条第一項ノ手続ヲ為スベシ
4 第二項ノ場合ニ於テ拾得者第七条若ハ第八条第二項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ前条後段ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ失ヒタルトキハ同項ノ占有者ハ第四条第二項ノ規定ニ依ル拾得者ノ報労金ヲ受クルノ権利ヲ除キ拾得者ノ拾得物ニ関スル権利ヲ取得ス但シ占有者第七条又ハ第八条第一項ノ例ニ依ルコトヲ得
『第十条 船、クルマ、建築物その他の施設の占有者のために管守する者は、その管守する場所において、他人の物件を拾得した時は、速やかにその物件を占有者に差し出すこと。この場合においては占有者をもって拾得者とみなし、本法及び民法第二百四十条の規定を適用する。
2 管守者のいる船、クルマ、建築物その他の本来公衆一般の通行の用に供することを目的としない構内において、他人の物件を拾得した者は、すみやかにその物件を管守者に交付して、交付を受けた管守者はそれをその船、クルマ、建築物等の占有者に差し出すこと。
3 前項の場合においては船、クルマ、建築物等の占有者は第一条第一項または第十一条第一項の手続きをすること。
4 第二項の場合において、拾得者は第七条もしくは第八条第二項の但し書きの規定により、拾得物に関する権利を放棄しまたは前条後段の規定により拾得物に関する権利を失った時は、同項の占有者は第四条第二項の規定による拾得者の報労金を受ける権利を除き、拾得者の拾得物に関する権利を拾得する。ただし、占有者は第七条または第八条第一項の例によることできる。』

 この項はちょっと分かりにくい。要は船やクルマ、建築物の中などで警備員等管理に当たる者がいて、その者が拾った場合と、そういった場所で一般の人が拾得した場合の取り扱いだ。『占有者』の解釈が適切でないかも知れないが、船なら船長、クルマなら運転手か。建物の場合は持ち主なのだろうが、これはあまり現実的でないので管理人か。公共のスペースでの拾得物の扱いとは若干異なる。
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第十条ノ二 前条ニ規定スル船車建築物等ノ占有者ニシテ当該船車建築物等ニ於ケル拾得物ヲ保管スルニ適スト認メラルル政令ヲ以テ指定スル法人前条第一項ノ規定ニ依リ拾得者ト看做サルル場合又ハ同条第二項ノ規定ニ依リ物件ノ差出ヲ受ケタル場合ニ於テ物件ノ返還ヲ受クベキ者ニ之ヲ返還スルコト能ハザルトキハ政令ノ定ムル所ニ依リ警察署長ニ届出ヲ為シタル後其ノ物件ヲ保管スべシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁ジタル物件ハ之ヲ速ニ警察署長ニ差出スベシ
2 前項ニ規定スル法人政令ヲ以テ定ムル要件ニ従ヒ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シタル物件ニ付テハ前項本文ノ規定ニ拘ラズ之ヲ警察署長ニ差出シ其ノ保管ノ責ヲ免ルルコトヲ得
3 第一項ノ規定ニ依ル届出ハ第九条ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ第一条第一項ノ手続ト看做ス
4 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ受ケタル警察署長ハ第一条第一項ノ例ニ依リ公告ヲ為スベシ
5 第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ハ其ノ物件ノ返還ヲ受クベキ者ニ之ヲ返還スベシ
6 第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ハ政令ノ定ムル所ニ依リ第二条又ハ第二条ノ二ノ規定ニ準ジ拾得物ヲ売却シ又ハ廃棄スルコトヲ得
7 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ受ケタル警察署長ハ其ノ物件ノ保管ノ状況ヲ調査スル為其ノ保管場所(公ノ法人ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ設置スル保管場所ヲ除ク)ニ立入リ又ハ所属警察官ヲシテ立入ラシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ正当ナル理由ナクシテ其ノ立入ヲ拒ムコトヲ得ズ
8 前項ノ規定ニ依リ立入ラムトスル警察署長又ハ警察官ハ其ノ身分ヲ証スル証明書ヲ携帯シ関係人ニ之ヲ提示スベシ
『第十条の二 前条の規定する船、クルマ、建築物等の占有者にしてその船、クルマ、建築物等における拾得物を保管するに適すると認められる政令をもって指定する法人は、前条第一項の規定により拾得者とみなされる場合、または同条第二項の規定により物件の差し出しを受けた場合において、物件の返還を受けるべき者にこれを返還することができない場合は、政令の定めるところにより警察署長に届け出をした後、その物件を保管すること。ただし法令の規定により、所有所持を禁止された物件はこれをすみやかに警察署長に差し出すこと。
2 前項に規定する法人は政令をもって定める要件に従い、拾得物に関する権利を放棄した物権については前項本文の規定にこだわらずこれを警察署長に差し出しその保管の責任を免除してもらうことが出来る。
3 第一項の規定による届け出は第九条の規定の適用についてはこれを第一条第一項の手続きとみなす。
4 第一項の規定により届け出を受けた警察署長は第一条第一項の例により公告をすること。
5 第一項の規定により物件を保管する法人はその物件の返還を受けるべき者にこれを返還すること。
6 第一項の規定により物件を保管する法人は政令の定めるところにより第二条または第二条の二の規定に準じて拾得物を売却しまたは廃棄することが出来る。
7 第一項の規定による届け出を受けた警察署長はその物件の保管の状況を調査するため、その保管場所(公の法人にして政令をもって定める者の設置する保管場所を除く)に立ち入りまたは所属警察官を立ち入らせることができる。その場合において正当な理由なしにその立ち入りを拒むことはできない。
8 前項の規定により立ち入ろうとする警察署長または警察官はその身分を証明する証明書を携帯し関係する人にこれを提示すること。』

 ここも船やクルマ、建築物内での遺失物の取り扱いに関する項目だ。
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第十一条 犯罪者ノ置去リタルモノト認ムル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ其ノ物件ヲ警察署長ニ差出スヘシ
2 前項ノ物件ニ関シテハ法律ノ規定ニ依リ没収スルモノヲ除ク外本法(第十条ノ二ヲ除ク以下本条中同ジ)及民法第二百四十条ノ規定ヲ準用ス但シ犯罪捜査ノ為必要ナルトキハ警察署長ニ於テ公訴権消滅ノ日マデ公告ヲ為サザルコトヲ得
3 第一項ノ物件ニ関シテハ公訴権消滅ノ日マデニ前項本文ニ於テ準用スル本法及民法第二百四十条ノ規定ニ依リ公告ヲ為シタル後既ニ六箇月ヲ経過シアリタル場合ニ限リ公訴権消滅ノ日ニ拾得者ニ於テ所有権ヲ取得ス
『第十一条 犯罪者の置き去ったモノと認められる物件を拾得した者は速やかにその物件を警察署長に差し出すこと。
2 前項の物件に関しては法律の規定により没収するモノを除くほか、本法(第十条の二を除く以下の本条中同じ)および民法第二百四十条の規定を準用する。ただし犯罪捜査のため、必要な時は警察署長において公訴権の消滅の日まで公告をしなくてもかまわない。
3 第一項の物件に関しては公訴権の消滅の日までに前項本文において準用する本法および民法第二百四十条の規定により公告をした後、二六ヵ月を経過した場合に限り、公訴権の消滅の日に拾得者においては所有権を取得する。』

 普通の遺失物か、それとも犯罪に絡んだ放置物か、一般人には判断が難しいと思うが、とにかく遺失物を発見した時は“すみやかに”警察署長に差し出せば問題なし。
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第十二条 誤テ占有シタル物件他人ノ置去リタル物件又ハ逸走ノ家畜ニ関シテハ本法及民法第二百四十条ノ規定ヲ準用ス但シ誤テ占有シタル物件ニ関シテハ第三条ノ費用及第四条ノ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス
『第十二条 誤って占有した物件、他人の置き去った物件、または逃げ出した家畜に関しては本法および民法第二百四十条の規定を準用する。ただし誤って占有した物件に関しては、第三条の費用および第四条の報労金を請求することは出来ない。』

『誤って占有』の表現は判断が難しい。ここら辺が法律屋さんたちだけの解釈にならざるをえないところ。“自分の鞄と間違えて人の鞄を持ってきてしまった”とかの場合だろうか。横領と紙一重。本題と離れるので興味のある方はご自分で研究してください。
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第十三条 埋蔵物ニ関シテハ第十条及第十条ノ二ヲ除クノ外本法ノ規定ヲ準用ス
『第十三条 埋蔵物に関しては第十条及び第十条の二を除くほか本法の規定を準用する。』

 埋蔵物に関しては“占有者”、“管守者”がかかわることなく、警察署長扱いになるということ。取り扱いに関しては<遺失物法>本体よりも、<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>、そして各都道府県県警ごとに定められている<遺失物取扱規定>によるところが大。
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第十四条 本法及民法第二百四十条第二百四十一条ノ規定ニ依リ物件ノ所有権ヲ取得シタル者取得ノ日ヨリ二箇月内ニ物件ヲ警察署長又ハ第十条ノ二第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ヨリ引取ラサルトキハ所有権ヲ喪失ス
『第十四条 本法および民法第二百四十条、第二百四十一条の規定により物件の所有権を取得した者は、取得の日より二ヶ月以内に物件を警察署長または第十条の二第一項の規定により物件を保管する法人より引き取らない時は所有権を失う。』

 ここら辺も「あなたに所有権が移りましたよ」などと親切に連絡があるわけではないので、自分から確認が必要だろう。
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第十五条 左ノ各号ニ掲グル物件ニシテ交付ヲ受クル者ナキトキハ其ノ所有権ハ夫々当該各号ニ掲グル者ニ帰属ス但シ第八条第三項ニ掲グル物件ニ付テハ其ノ所有権ハ国ニ帰属ス
 一 警察署長ノ保管スルモノ 当該警察署ノ属スル都道府県
 二 第十条ノ二第一項ニ規定スル法人ノ保管スルモノ(第七条第八条第二項但書第九条又ハ第十条第四項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ失ヒタルモノヲ除ク) 当該法人
 三 第十条ノ二第一項ニ規定スル法人ノ保管スル物件ニシテ第七条第八条第二項但書第九条又ハ第十条第四項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ放棄シ又ハ失ヒタルモノ 当該物件ノ保管場所ノ所在スル都道府県
『第十五条 左の各号に掲げる物件にして交付を受ける者がない時は、所有権はそれぞれあたる各号に掲げる者に帰属する。ただし第八条第三項に掲げる物件についてはその所有権は国に帰属する。
 一 警察署長の保管するモノ それにあたる警察署の属する都道府県。
 二 第十条の二第一項に規定する法人の保管するモノ(第七条、第八条第二項但し書き、第九条または第十条第四項但し書きの規定により拾得物に関する権利を放棄し、または失ったモノを除く) それにあたる物件の保管場所が所在する都道府県。
 三 第十条の二第一項に規定する法人の保管する物件にして第七条、第八条第二項但し書き、第九条、または第十条第四項但し書きの規定により拾得物に関する権利を放棄しまたは失ったモノ それにあたる物件の保管場所が所在する都道府県。』

 遺失者、拾得者ともに権利を放棄するなどして引き取り手のなくなった物件の帰属は全て取り扱った都道府県に移るということ。
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第十六条 本法ニ特別ノ定アルモノヲ除ク外本法ノ施行ニ関スル細目ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
『第十六条 本法に特別の定めがあるモノを除くほか、本法の施行に関する細目は命令をもってこれを定める。』

 具体的な取り扱いは<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>、そして各都道府県県警ごとに定められている<遺失物取扱規定>によるということ。

<附 則>


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   附 則

第十七条 明治九年第五十六号布告遺失物取扱規則ハ本法施行ノ日ヨリ廃止ス

   附 則 [平成11年12月22日法律第160号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

 以上、ざっと<遺失物法>を見てきました。法律の専門家ではないので解釈に誤りのある部分もあろうかと思います。できれば法律の専門家の方から訂正、ご指導いただければ幸いです。
 ただ、法律というものは皆様もよくご存じの通り、裁判官、検事、弁護士それぞれが、それぞれの立場で“解釈”していますから、ある意味“目安書”でしかないのではないでしょうか。それが証拠には、地裁、高裁、最高裁とそれぞれ審議するたびに全てに判断が異なるなんて事態もままあるのですから。しかも担当した人間が違えば判断がころっと変わることも。
 時間が取れましたら引き続き、<遺失物法施行令>、<遺失物法施行規則>、<遺失物取扱規則>、<遺失物取扱規定>へと掘り下げていきたいと思っております……。

--2007年12月10日、新“遺失物法”が施行されました。したがってこちらの“遺失物法”はすでに「かつて」の法律であることをお断りしておきます。

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